一般共用施設への設置計画としては世界初の事例に
積水化学工業は2022年8月、西日本旅客鉄道(以下、JR西日本)が開業を目指す「うめきた(大阪)地下駅」にフィルム型ペロブスカイト太陽電池を提供・設置すると発表しました。JR西日本によると、一般共用施設への設置計画としては世界初の事例になるといいます。
参照:ペロブスカイト太陽電池を世界初導入、JR西日本が「うめきた」新駅に
参照:eco ステーション うめきた(大阪)駅の環境の取り組み
積水化学工業は2022年8月、西日本旅客鉄道(以下、JR西日本)が開業を目指す「うめきた(大阪)地下駅」にフィルム型ペロブスカイト太陽電池を提供・設置すると発表しました。JR西日本によると、一般共用施設への設置計画としては世界初の事例になるといいます。
参照:ペロブスカイト太陽電池を世界初導入、JR西日本が「うめきた」新駅に
参照:eco ステーション うめきた(大阪)駅の環境の取り組み
現在、主流であるシリコン結晶系太陽電池に代わって、高い性能を期待されている太陽電池が、ペロブスカイト太陽電池です。
ペロブスカイトとは、結晶構造の名称。その構造を光を吸収しやすい黒色にし、太陽電池に適用したものをペロブスカイト太陽電池といいます。
ペロブスカイト構造は、1980年代にはじめて報告された結晶構造のひとつ。ABX3型の典型的な構造。
以上のように、効率はシリコン系太陽電池とあまり変わらず、薄くて軽く、折り曲げやすいことで、たとえばビルの壁面だったり、テントの局面などに ペロブスカイト太陽電池を敷設できたりします。
後述する京都大学の若宮教授の研究室がわかりやすい動画を作成されているので、そちらをぜひご覧ください。
続きを読む 太陽光発電の先行きと次世代太陽電池「ペロブスカイト太陽電池」(2)日本は、国立研究開発法人新エネルギー・産業総合開発機構(通称、NEDO:ネド)を中心に、太陽光発電のリサイクル技術の開発や、発電システム効率の向上、発電コストの削減を目標に研究開発を国家的に推進してきました。
しかし、2010年代に入ると、日本企業は太陽電池分野でグローバル競争に、トラウマと言っていいような大敗を続けます。
ひとつは、SHARPが2014年度(15年3月期)に同様の引当金を計上したため、営業赤字に転落したこと。その後、同社が台湾企業に買収されたことをご存知の方もいることでしょう。
ほかにも、京セラが2017年度(18年3月期)に販売減に加え、原材料であるポリシリコン(ポリSi)の長期契約に伴う引当損失(500億円強)を計上したため、許諾の赤字に陥りました。
NEDOの最近のプロジェクトを見ると、「発電コスト14円/kWhを十分に下回る性能の確認を目指しています。」とあります。しかし、中国は結晶系SiPV(シリコン結晶系太陽電池で2018年前後に、1Wあたり0.3ドル(PVinsights調べ)ぐらいの価格で推移していました。
続きを読む これまでの太陽光発電と「ペブロスカイト太陽電池」へ至る経緯現在普及している再生可能エネルギーでも主流であり、2030年度の目標においても中心的存在となる太陽光発電。太陽光発電は英語で「PhotoVoltaic」あるいは「Solar Photovoltaic」と表されます。ご存知の通り、太陽光を感光センサーで感知し、電流に変換して電気エネルギーを生み出すのが太陽光発電の基本原理。ここでは、現在の太陽光発電の特徴や課題、そして次世代の太陽光発電と言われる「ペロブスカイト(Perovskite)太陽電池」を紹介します。
ちなみに、ペロブスカイトなのでお間違いなく。
蛇足ですが、2021年末で世界の太陽光発電量の総計は410GW(ギガワット)で、そのうち、シリコン結晶系太陽電池の「PERC」と呼ばれる形式がシェアのほとんどを握っています。
※PERCは「Passivated Emitter and Rear Cell」の頭文字です。
続きを読む 太陽光発電の先行きと次世代太陽電池「ペロブスカイト太陽電池」(1)カーボンニュートラルの達成のためには、国や自治体、企業だけではなく、わたしたち一人ひとりの取り組み、とりわけ大きなライフスタイルの変革が必要です。現在の私たちの標準的なライフスタイルのなかでのエネルギー消費内訳は下記の通りです。
実は、日本の温室効果ガスの排出量のおよそ6割が家計によるものという報告があるのです。ライフスタイルの変革が実に必要性の高いものであることがおわかりいただけるでしょう。
続きを読む 気候危機に対抗するためのライフスタイル変革