租税教育について

国税庁や、その下部組織の税務署や、いっぽうで税理士会さんなどが中心となって、各地で租税教育が実施されています。

12zでは、8月に管轄税務署へ納税教育についての意義や、実際について取材を申し入れた結果、ご了承を得ています。

その取材内容をコンテンツ化していく予定をしておりますので、もう少々お待ちいただけますようお願い申し上げます。

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「税の学習コーナー 国税庁」

エチオピア高原の吟遊詩人(2021サントリー学芸賞受賞作)を読んで〜レジュメとして〜 

エチオピアと聞いてアフリカにある国の名前は思い浮かぶが、それ以上仔細にエチオピアについて鮮明に脳裏に画像や語彙を思い浮かべる人は少ないのではないでしょうか。
まず本書(以下「本書」はすべて『エチオピア高原の吟遊詩人』を指します)の概要を述べる前に、エチオピアのことを簡単に述べておきます。場所は、『エジプトの右下あたりの「アフリカの角(ツノ)」と呼ばれる地域の大国。アフリカ連合や国連アフリカ経済委委員会の本部がおかれており、アフリカが他地域と外交する際の中心地の一つです』と、外務省のホームページを引用しておきます。

本書をざっくり表すと、エチオピア北部の都市ゴンダールの酒場を舞台に、酒宴に興じる人々を歌い踊ることで良い気分にさせることを生業にしつつ、『アズマリ』という別称を引き受け狡猾に生きる部族の生き様を具に描いた作品であり、フィールドワークの成果であると思います。

ただし、一言で語り尽くそうとするとひどく乱暴になってしまう危うさがあって。というのも、筆者(川瀬滋氏)の専門は映像人類学で、実際、本書の最後に映像作品をつくり、現地でアズマリに魅せたときの様子と考察もあるからです。そうした背景も頭に入れておくと、本書の理解の手助けになるでしょう。

さて、本書の内容は、おおきく4つに分かれます。
「現代のアズマリの日常」
「歴史におけるアズマリの役割の変化」
「歌とともに広がるアズマリの活動」
「職能者からアーティストになる者たち」

それらのテーマの軸になっているのは「歌」であり「隠語(歌の間に挟む仲間たちだけに通じることば)」が歴史と複雑に絡み合っている様子ではないでしょうか。
本書のところどころに、エチオピアのアムハラ語の歌詞と日本語訳が記されています。ここでは、その中から日本語訳の一例を挙げます。

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『サラ金の歴史 消費者金融と日本社会』レジュメ 

本書(以下「本書」はすべて『サラ金の歴史 消費者金融と日本社会』を指します)は「金融技術」と「人」の2つの視点からサラ金(消費者金融)の歴史を辿る内容になっています。
著者が述べるように、今までの金融史研究では正面から取り上げられることのなかった「家計の内部における夫と妻のせめぎあい」(p.10)に着目する「家計・ジェンダーアプローチ」を取り入れているのが本書の特徴です。
本書では1910年代から2020年までの約百年が6章に分けて分析されていますが、ここでは大まかに分けて「素人高利貸」、「団地金融」、「サラ金」という3つの観点から内容を見ていきましょう。なお、以下で概観するにあたっては「金融技術」面を取り上げ、最後のまとめにおいて「人(ジェンダー)」の部分に触れます。

「素人高利貸」

第1章ではサラ金の源流として、戦前の貧民窟やサラリーマンの間で行われる個人間資金貸借、「素人高利貸」が取り上げられます。この高利貸が「玄人」化していくことでサラ金が生まれるというのが著者の立場です。
この時期での金融技術は、「個人間の近しい繋がりを利用した貸付審査(安定した資金回収)」と言えるでしょう。

貧民窟では高利貸は顧客と直接やりとりをするのではなく、「使い」と「走り」(「パシり」の語源)という代理人を介して金貸しを行います。使いと走りは顧客の開拓と資金回収を行いますが、借金踏み倒しのリスクがあるので誰にでもというわけではなく、ある程度信用できる知人がその対象となります。
時代が進んでサラリーマン間での高利貸になっても、やはり踏み倒しのリスクがあるので同じ社内の人間など、回収の見込みが高い相手とのやりとりが中心です。

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12歳から考える知的生存戦略[サバイバル~]